HOME > まだある。昭和食堂 > 勝どきの食堂「月よし」に残る"昭和の味と風情"
12月25日のメニュー
by ガッキー
突然ですが、みなさんは「食堂」という単語から、どんなものを思い浮かべますか? ボクは、サバ煮、焼き魚、お刺し身などの一品モノに小鉢がついた "定食メニュー" ですね。ところが、編集部の先輩に聞いたところ "おかず棚" という答えが返ってきた。何ソレ。
昭和期の食堂は、おかず棚と呼ばれるガラスケースを設置している店が多かったという。○○定食などと決まったメニューがあるのではなく、その日のおかず(一品料理)がガラスケースの中にずらりと並んでいて、そこから自分が食べたい料理を選ぶ。戦後、長年にわたって食堂で採用されていたが、外食の多様化(ファミリーレストランやファストフード、専門店の登場)によって、1つのお店に毎日のように通う人が減り、次第におかず棚も減っていったようだ。
とはいえ、おかず棚にたくさんの料理を並べる食堂は、まだ消滅していなかった。ならばボクも "おかず棚デビュー" したい! ということで、中央区勝どきの「月よし」という食堂へ向かった。
おかず棚を見て料理を注文すると、出来立てをトレーに乗せてくれる月よしは、タクシーやトラックの運転手、営業マンに人気の食堂で、白いほっかむりをしたおばさんが、明るい声で「いらっしゃいませ」と出迎えてくれた。予習してきたにも関わらず、おかず棚の迫力にたじろぐボク。豚の生姜焼、メンチカツ、ニラ玉、アジのタタキ、アジフライ......。カウンターを挟んで反対側のおかず棚には、焼き魚や煮魚が並んでいる。ホッケやアジの開き、焼きサンマ、サバ煮、イワシ煮などなど。「まるで、おかずの見本市や~」と思いながら、おばちゃんに品数を尋ねると、毎日80種類くらい用意しているとのこと。
事前に「その瞬間に食べたいものを選んで"ガッキー定食"を作る」ことを計画していたが、実際におかず棚を目の前にすると、アレも食べたい、コレもおいしそう、あっちもいいなぁ~と目移りし、迷い箸状態。でも、あまり迷ってはいられない。すでに、おばちゃんがご飯と味噌汁をよそってスタンバイしているからだ。それに焦って注文したのは、看板メニューのマグロブツ(350円)とサバ煮(250円)、ポテトサラダ(200円)の組み合わせ。さんざん迷ったあげく、同店ではオーソドックスな組み合わせになってしまった......。
マグロブツ(350円)、サバ煮(250円)、ポテトサラダ(200円)に、ご飯と味噌汁がついて合計1090円マグロブツ赤身と中トロの中間という感じ。大きなブロックで食べ応えは満点。ご飯が進む。サバ煮は照りと香りが食欲をそそる。甘辛の味付けで煮加減もちょうどよく、身がもっちり。さらにご飯が進む。ポテトサラダもホッとする味。他のおかずとのローテーションで、ますますご飯が進む。一通り箸をつけたあとは、おかずとご飯を交互にがっつき、一気に平らげる。この「ご飯を食べた!」という幸福感は、食堂でないと味わえない気がする。
結局、ありがちな組み合わせになってしまったが、おかず棚を前にして、食べたい料理を組み合わせる楽しさを味わうことができた。野菜をいっぱい採りたいときは野菜の煮物とサラダを組み合わせ、力をつけたいときは肉料理と魚料理でガッツリいってもいい。その日の自分の体調や気分に合った料理が食べられる。おかず棚は、みんなが食堂に毎日通う時代に、自然に生まれた外食スタイルなのだろう。
その日のメニュー札が、おかず棚上の壁一面にも並んでいる【月よし その他のメニュー】
ホッケ (350円)
アジの開き (250円)
アラコダイ (400円)
アジのタタキ (300円)
ニラ玉 (250円)
豚の生姜焼 (300円)
レンコン煮 (200円)
アジフライ (250円)
ヤサイサラダ (200円)
トン汁 (250円)
【店舗データ】
住所: 東京都中央区勝どき4-11-9
電話: 03-3531-5786
営業: 6:00~22:30
休業日: 日・祝
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