
太宰治の佳作「パンドラの匣」が、染谷将太、川上未映子、仲里依紗、窪塚洋介らのキャストで映画化され、10月に公開する。
監督は、「パビリオン山椒魚」などを手がけた冨永昌敬。音楽はジャズミュージシャンの菊地成孔が担当する。
「パンドラの匣」は、太宰が終戦直後の昭和20(1945)年10月から翌年1月に河北新報で連載した小説。「健康道場」という名の療養所に入所した結核を患う主人公・ひばりと、看護師や看護師長、ほかの療養者とのどこか間の抜けたおかしな日々を描く、ユーモアと希望にあふれた物語だ。
原作の下敷きとなったのは、太宰治の熱烈なファンであった木村庄助さんが、実際に東大阪の結核療養所で過ごした日々を綴った日誌。青年の心情の変化を根底に、戦中、戦後の日本の移り変わりを描いている。
また、太宰が今年で生誕100周年を迎えたことで、作品が続々と映画化している。5月9日から公開している「斜陽」、10月10日に公開する「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」、来春公開を予定している「人間失格」と、2009年は太宰イヤーとなりそうだ。
「パンドラの匣」は10月にテアトル新宿ほか全国順次ロードショー。【中村大輔】