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東京人にはもはや説明不要である。CMでは王貞治元選手が起用され、決めゼリフは「『ナボナ』はお菓子のホームラン王です」。その口調を昭和っ子なら誰もが一度はマネしたことがあるはずだ。「ブッセ」と総称されるお菓子だが、当初のコンセプトは「洋風どら焼き」。老舗和菓子店である亀屋万年堂が、急速に欧米化していく日本人の食生活を考慮して開発した洋風の和菓子なのである。「ナポリ」として発売されたが、すでに某アイスクリーム店が商標を登録していたため、イタリア市民の憩いの場である「ナヴォーナ広場」にちなんで名前を変更した。
子ども時代、「ナボナ」はどちらかといえば進物用のお菓子なので、日常、おやつ代わりに気軽に食べられるものではなかった。ありつけるのは、来客があったとき。「なにか和菓子を買ってきて」とお使いに出されると、必ず「ナボナ」を買った。「残すはずだ」という想定で、一番好きな「チーズ」を多めに買う。たまに遠慮を知らない客がたいらげて帰ったりすると、「大人のくせに!」などと悪態をついたものだ。
ナボナ(株式会社亀屋万年堂)
発売年:1963年
こちらも王選手の「『森の詩』もよろしく」でおなじみの「森の詩」(各126円)。1973年の発売時はあん入りバームクーヘンだったが、04年にミニロールケーキ風にリニューアルされたまだある。
