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「まだある。」を立ち読み

ミナツネのあんずボー 1970年代なかば

ミナツネのあんずボー 関東地方で育った人間には駄菓子を象徴する商品のひとつ。アンズやスモモなどの「漬け物系」はほぼ関東ローカルの駄菓子である……ということは「さくら大根」の項に書いたが、アンズ菓子が関東限定のものとなったことには、アンズそのものの流通の歴史が関係しているらしい。もともとアンズは長野の名産。そのむかし、これを腐らないうちに運べるのは関東圏までが限界。つまり、関東以西の人々はアンズ自体にあまりなじみがない。そんな事情で、アンズ菓子は自然と関東限定となったようだ。
 当時も今も、駄菓子屋には「常温版」と「冷凍版」の「あんずボー」が常備されていたが、圧倒的に人気だったのは「冷凍版」。が、発売当時は冷凍庫を備える駄菓子屋は少なく、常温が基本だったのだそうだ。そのうちにアイスの保冷庫が普及し、駄菓子屋は「あんずボー」をケースのすみのほうにこっそりと忍ばせ、凍らせて売るようになった。なぜ「こっそり」なのかというと、保冷庫はアイスメーカーの備品。これにアイス以外のモノを入れると、メーカーの担当者からイヤ~顔をされるのだとか。

ミナツネのあんずボーミナツネのあんずボー(株式会社港常)
発売年:1970年代なかば

幼児のころから食べていたと思っていたが、意外と新しい商品なのである。我々世代が最初に口にしたアンズ駄菓子は、まるごとの蜜漬けアンズを3つほど串に刺した「串アンズ」なるものだったと思う。今回の取材では発見できなかったが、とっくに絶滅?
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