HOME > 特集 > おこちゃまレトロ文化 第3回 70'sの男の子ゴコロをワシづかみっ!変身サイボーグ1号 タカラSF玩具の世界(2)

1972(昭和47)年、玩具好き男の子の眼前に突如現れた「変身サイボーグ1号」は、従来の怪獣ソフビ人形とはまったく次元の違う商品だった。人体模型のような透明ボディーは全身の関節がコキコキと自由に動き、内部にはキラキラと輝く精密機械。画期的な造形と構造は、“未来”とか“科学”といった言葉そのもののように見えた。
文=初見健一

![]() 右が変身サイボーグ1号、左は“弟”という設定の少年サイボーグ(1973年発売) |
僕らの世代(1970年前後生まれ)は“オタク第二世代”なんて呼ばれたりして、おもちゃ離れができない人が多い。いわゆる“いい歳をしたフィギュアコレクター”の中核をなすのもこの世代だ。こういう世代をつくりだした元凶、いや原因こそ、タカラが1972年に発売した傑作玩具「変身サイボーグ1号」シリーズだと思う。
それまで男の子向けの人形といえば、主流はソフトビニール製の怪獣。粘土細工みたいな造形は今見ると味わい深いが、子どもとしてはそのデキにはいろいろと不満もあった。内職のオバサンがササッと塗ったような大ざっぱなカラーリングには色の塗りまちがいも多かったし、そもそもキャラをよく知らない人が「だいたいでいいよね」みたいなノリでつくったようなものも珍しくなかったのだ。
そんな時代に突如現れた変身サイボーグ1号は、まったく次元の違う商品だった。全身の関節がコキコキと自由に動く、人体模型のような透明ボディー。内部にはキラキラと輝く精密機械。画期的な造形と構造は、未来とか科学といった言葉そのもののように見えた。これに飛びついた僕たちは、たぶん“人形遊びをする男の子”の最初の世代だ。
